メタル加工部
2025/06/03
「地中を貫く、鋼の王者」
– 地面を掘るドリルの“要”、圧倒的強度を担うメタルクラウンを、
私たちは一つひとつ、精密に、そして誇りを持ってつくり上げています。
地質や地盤条件によって形状も材質も変わるため、常に高い技術と判断力が求められる現場。
見えない地中の奥深くで、その力を発揮する“王者”を支えているのは、
現場で培った経験と、職人たちの確かな腕です。
メタルクラウンの役割

■メタルクラウンとは?
メタルクラウンとは、地質調査用ボーリングマシンの先端部に取り付ける金属製の刃(ビット)のことです。
ドリルの“歯”にあたる部分で、地面を直接削り、掘り進めるための重要なパーツです。
■地質調査における役割
1. 地層を正確に掘り抜く
地質調査では、地下にどんな地層や地盤があるかを正確に把握するために、ボーリング(掘削)を行います。
このとき、岩や土を効率よく削り取り、必要な深さまで到達するのがメタルクラウンの仕事です。
2. 地層を乱さずサンプルを採取する
掘削の際に使うクラウンの形状や材質によって、採取できる地質サンプルの精度が変わります。
乱れのないコア(地中の断面)を取るためにも、現場の地質条件に最適なメタルクラウンの選定と加工が重要です。
3. 過酷な環境に耐えるタフネス
地中には、硬い岩盤、砂利層、粘土、地下水などさまざまな条件があります。
メタルクラウンは、強度・耐摩耗性・加工精度が問われる高機能パーツで、これがなければボーリング作業そのものが成立しません。
■まとめ:見えないけれど、要の存在
地質調査においてメタルクラウンは、まさに「地中を切り開く最前線」。
現場によって形状や刃先の素材をカスタマイズする必要があり、高精度な加工技術と現場理解が不可欠な“要のパーツ”です。
熟練の技能士とともに
日本の地質はとても不安定で複雑です。
熟練の技能士は、ボーリングマシンから伝わるわずかな振動を頼りに、地下の変化を読み取ります。
地層によって削るスピードを変えたり、回転数を調整したり、クラウンを交換したりと、瞬時に判断を下していきます。
たとえば、柔らかい粘土層では力を入れすぎるとサンプルが崩れてしまうため、慎重な操作が求められます。
一方、硬い岩盤に突き当たれば、マシンやクラウンにかかる負荷を見極めながら、より攻めた掘削が必要になります。
このように地層ごとに異なる「癖」に対応できるかどうかが、ボーリング技術の真価。
まるで地下に“耳をすませる”かのような感覚が、熟練の技には込められているのです。
地球の声を解明するために、まずは私達が作るメタルクラウンの精度が重要になるのです。
